2018年6月13日水曜日

おだやかな革命の辺縁 その2


前回の続き。

映画「おだやかな革命」では、様々な地域での取り組みが
紹介されている。

やや意地の悪い表現をすれば、美しい物語ばかりだ。


だが、私はこういう地域の取り組みを根底から覆すような
要素を懸念する。

先人たちが積み上げてきた社会システムを毀損するもの。
それは内外から、緩急を問わずに降り積もってくる。

大体は多分に政治的な要素や世界の動きが絡む。
だからそういうことに対しての社会の反応は鈍い


美しい物語に浸っている間は心地よい。

だが社会システムを毀損するものに注意を払い、
検証し、取り除いていく試みは、恐ろしく地味で
膨大な労力を必要とする。

そういった作業の専門性と必要性が、日本では
どういうわけか理解されていないように感じる。
私たちの権利を損なうものへの危機感が恐ろしく
希薄ではないだろうか。

地域での試みを守る役割。
いってみれば灯台守のようなポジション。

嵐の予兆を感じ取り、海域の安全に留意し、遭難者を
救助し、あるいは敵艦隊の襲来をいち早く伝える。



美しい物語を紡ぐ努力は大事だが、灯台守に最大限の
敬意を払い、協力を惜しまないこともまた地域を
つくることの一環ではないだろうか。



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