2018年6月13日水曜日

おだやかな革命の辺縁 その1


映画「おだやかな革命」の上映が全国の劇場で始まった。
東海地方では、名古屋のシネマテーク上映中
(6月29日まで)。また岐阜では7月7日からCINEXで、
7月20日からはシネックスマーゴで上映開始。


上映スケジュールの詳細は各劇場のHPで。


私は先だって開催された試写会でこの映画を観た。
まだご覧になっていない方も多いと思うので、本稿では
内容にはなるべく触れずにこの映画を論じると言う
冒険を敢行する。



私は鑑賞中、ずっと「この映画では描かれていないこと」が
頭に浮かんで離れなかった。

地域づくりに取り組んでいながら、うまくいっていない
地域、試行錯誤しながら迷って苦しんでいるあの人の顔。

NPOの世界には昔から「男性の寿退社」という言葉がある。
家計を支えるほどの収入を得られることが難しく、結婚
したり子どもができたりするタイミングで、男性職員が
転職してしまうことが多いのだ。私の知り合いにも
何人かこういう方がいる。正職員の平均年収は上昇して
きてはいるものの、未だ一般企業との差は歴然として
存在する。

同様に、地域づくりに取り組んでいる人でも、特に目だった
成果を挙げられず、また収入も不安定なため、辞めてしまう
方もこれまた多い。

「多い」というのは主観的だが、ともかく成功事例ばかり
では無いということは留意しておいたほうがいいのでは
ないか。

突き詰めれば個人の生き方というか、あるいは覚悟が
問われるのではないかと思う。

映画の中では、地域の中でとても生き生きと楽しく
生きる人々が登場する。だからと言って、「そうか、
オレもあんなふうにやればいいんだ」と早合点する
べきではない。

成功が覚束ないことだってある。
それでも飛び込んでいくなら。


失敗することを躊躇わないでほしい。

地域の中でもがいている人や企業へ戻っていった
人を笑わないでほしい。


いろんな人の顔を思い出さずにはいられない映画だった。


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